映画『ドライブ・マイ・カー』動画を無料でフル視聴！NetflixやHulu/Amazonプライムで配信してる？

ライナス

30代男性

村上春樹原作の同名短編小説を映画化した本作は、妻を亡くした過去を持ち喪失感を抱えながら生きている俳優が専属の寡黙な女性ドライバーとの出会いを通して、向き合えなかった過去を受け入れていく姿を描いた作品です。主人公・家福を演じた西島秀俊は、闇を抱えた主人公の心境を静かながら表情豊かに演じており、ハマり役でした。タイトル通り、車を運転するシーンや車中での会話のシーンがたくさん出てきますが、家福の愛車SAABがとてもかっこよくて自分も欲しいなぁという気持ちになってきます。全体的にセリフもそこまで多くなく、音楽も落ち着いていて静かなトーンの映画ですが、その分登場人物たちの表情や心の動きが良く分かり、いろんな思いを巡らすことができます。瀬戸内の美しい風景も素晴らしい静かな良作でした。

yuri

20代女性

難解でもないが、簡単な映画でもないといった感想を抱いた。 分かり易いお涙頂戴等のある作品ではなく、 どこに何を感じるかは、各々の自由ですといった類の作品。 しかし、悩みこみ考えながら見ずに、なんとなく眺めても心地良い作品だ。 3時間という長尺で見る前は少し身構えたが、全く苦痛ではなかった。 役者人の演技も皆素晴らしく、キャスティングも素晴らしかったと思う。 作品の主題については触れなかったが、100人いたら100通り出てきそうだ。 誰かと共感する事で再び前に動き出していくラストは秀逸。 地味な作品ではあるが、内容としてはとても良い作品なので沢山の人に見て欲しいと思った。 個人的には映像がとても綺麗に感じたので是非映画館で見てほしい作品だ。

タケ

50代男性

周りの人を失い後悔の人生を生きている人たちが、どんなふうにして立ち上がって行くのか、その湧いてくるような生命力を感じる素敵な映画でした。確かに物語を紡ぐことによって人は前に進む勇気が出てきます。だから言葉は単なる言葉ではなく、言霊、つまり魂の力を人に与えて行くのでしょう。いつも車の中でみさきと家福は同じセリフを聞いて、活力を共有したという意味では、素敵なドライブの時間だったのだと感じました。また家福がワーニャ叔父さんの役を演ずることで、自身の人生の悲しみを乗り越えて行くことができたのでしょう。この映画はこれらのさまざまな芸術的要因によって、人生の希望を生み出すという輝かしい瞬間を、映像として描き出している秀逸な作品です。

おん

10代女性

小説をそのまま映像に落とし込んだかのような作品だった。全体を通して静かに物語が進んでいくが、退屈することなくゆっくりと時間をかけて自分自身と登場人物を重ねていける。目立つシーンでなくとも確かに画面の向こうの主人公と怒りや悲しみを共有し、映画というより対話に近い印象を持った。どこを切り取っても映像が美しい。原作やそれに出てくる作品を予習してからいくとなお楽しめると思う。元のイメージが壊れるというのは原作がある映画のあるあるだが、監督と出演者が出した「ドライブマイカー」の一つの解釈としてとても楽しめる映画である。確かに胸の奥に残り、ゆっくりと時間をかけて感情を噛みしめることができる最近の映画には少ないみるべき映画であった。

トール

30代男性

この映画では、西島秀俊さん演じる家福の活躍するシーンに期待して観ることができました。愛する妻がある秘密を残したまま突然この世を去ってしまったら、気持ち的に落ち込んでしまうことはよく理解できました。そんな中で、口数の少ない専属ドライバーのみさきと一緒に過ごす時間を共有している時に、家福は自分自身と向き合うことができるようになってきたシーンが映画の見どころになります。苦しいことがあってもそれを希望に変えていく姿がとても素晴らしく感じられました。村上春樹さんの短編小説を原作に描いていたので、素晴らしい作品に仕上がっていました。多くの方が関心を持って観ることができる内容になっています。学びのあるヒューマンドラマになっているので、おすすめすることができます。

ムネ

40代男性

主演の西島秀俊の家福悠介と、助演の岡田将生の高槻耕史とのライバル心が非常に落ち着いた雰囲気のなかで、でも、とても激しく火花を散らし合う様が刺激的。頑な過ぎるほどだった家福の心の鎧が、高槻の遠慮知らずの執拗な攻撃と、最愛の妻絡みの出来事によってボロボロになって行く過程は美しく感動的だが、とても情けなくもあり、複雑な味わいがある。第三者的登場人物の職業ドライバー渡利みさき（三浦透子）の、その、意表を突くにもほどがある異次元のオマージュ満載ぶりに驚かされるが、真の主役と言っても過言ではない、その後半の存在感は、見苦しい男二人を吹き飛ばすほどの清涼感で、作品や観客もぶっちぎりで飛び立っていく姿が良すぎる。

koji

40代男性

何をもって言うのか分かりませんが、日本映画っぽくない映画でした。外国映画を見ているような感覚が確かにありました。原作の村上春樹さんの小説にもそういうところがありますね。村上さんの文学におけるバックボーンがアメリカ文学を始めとする外国語作品にあるようなので、それも仕方ありませんが。西島秀俊さんは本当にいい役者さんになりましたね。表情もそうですが、佇まいがいい。岡田将生君もあんな風になれるといいのに。女性ドライバー役の三浦透子さんの雰囲気も映画に合っていて、その美声はそれほど聞けませんでしたが、存在感がありました。作中劇を使っているのが印象的でした。映画のテーマとも被るようですが、演劇においてはみんなで嘘をつきますね。でもその嘘は、本当の心とか、心情を表すために必要です。本物を、嘘で作り出す。しっかりと心に迫ってくる映画でした。

UMi0120

20代女性

西島秀俊の渋さ、三浦透子の存在感に圧倒され続ける3時間でした。村上春樹の小説のもつミステリアスな雰囲気がどうしても好きになれなかったけれど、映像として目の前に現れると、こうも魅力的になるのかと衝撃を受けました。静かだし、淡々と話が進んでいくように思えるけど、とにかく登場人物たちの会話が興味深くて、時間を忘れるほどにのめり込んでいました。ストーリーの背景には人間誰もが抱えている、孤独や葛藤という大きなテーマがあって、いつの間にか自分がスクリーンの中にいるような感覚になりました。自分の人生を、自分の運命を、どう受け入れていくか。スクリーンを通して自分自身の人生についても考えさせてくれる、濃厚な映画でした。